おひとりさま

毎日読んだ本の感想を書いています。

働く男

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星野源さんのエッセイ「働く男」

俳優、音楽家、文筆家と、さまざまな顔をもつ星野源さん。
二度の活動休止、療養期間があった彼自身の、仕事に対する考え方、いろんな側面から見た星野源の仕事についてなどなど、事細かに書かれた1冊です。

そもそも私、星野さんは作家さんなんだとしばらく勘違いしていました。SAKEROCKというバンドをやっていたり、大人計画という劇団に所属して舞台や映画に出ていたなんて、まったく知らなかった!

活動休止のニュースをちらりと見たことはあれど、「テレビに出てる星野源」と、わたしが認識してる「作家星野源」は別人なんだとばかり……。何きっかけで同一人物と気付いたのかは最早覚えていません。

これまでに、どんな音楽を作って、どんなコラムやエッセイを書いて、どんな映画や舞台に出て、自分を表現してきたのか。自身の活動を自身の手で振り返っています。

追って読んでいくと、星野さんって働くことが好きなんだっていうより、やりたいこと、好きなことが人生において多すぎて、それぞれ追求しているうちに仕事になっちゃってたよ、っていうタイプの人みたい。

自分が主題歌を担当した映画についてのコラムを雑誌に書く、なんて、まさに音楽もやって演技もやって文章も書いて、っていう方じゃないと実現し得ない仕事ですよね……!  ただ単にうらやましい。やってみたい。
この、映画「キツツキと雨」についてのコラムがまた良くて、今更ながら見たくなってしまうくらいそそられます。

巻末には、文庫版特別対談ということで、「働く男」同士の星野源又吉直樹の対談が載ってるんですが、これもまた良い。

又吉も大好きで、火花はもちろんそれ以前の著作も読んでるんですが(機会作って書評をあげたい)、数ページの対談ですけど共感部分が多すぎて、これがあるだけでこの本売れない!  って歯噛みするくらい、良い。

いちばん唸ったのは、お2人の人見知りに対する見解。
「人見知りっていうのは元来ある性格ではなく、その場の環境や、一緒にいる人によって変わるただの「症状」だ」、っていうのは、自称人見知りとして胸を抉られる一文でした。

人と会って話をする機会をとことん避けてきた人生に危機感を覚え、対人力を鍛えるためにわざと多く人と会ったり、約束を取り付けてご飯食べたりお酒飲んだり、長電話したり。
そうしてるうちに四六時中人といることが苦ではなくなってきて、今じゃ反対に、前みたいな孤独にいったん戻らないと人としてダメになるんじゃないかって、思うようになってきたとか。

わたしも普段から似たようなことを考えていままでの人生やってきたので、あー、同じことで悩みながらも何とかやってる人って意外に多いんだろうなーって思うと、とっても楽になりました。

自分にとっての「働く」ってなんだろう?
性別問わず年齢問わず、原点に立ち返るきっかけになる本です。