おひとりさま

毎日読んだ本の感想を書いています。いつかお一人様専用のカフェを作りたいという夢があるので店名の候補をタイトルにしました。

アダム・ブラウン「えんぴつの約束」

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超一流コンサルタントのアダムが、貧困地域でまともに教育を受けられずにいる子どもたちのため、一念発起職を辞し、「ペンシルズオブプロミス」という団体を立ち上げ、世界に学校を建てる活動をはじめるノンフィクション。


誰もが「無理だ!」「できっこない」と一蹴する夢でも、それを捨てるな。
自分自身と、夢と、助けてくれる貴重な仲間をひたすらに信じて、前へ進み続けよう!  という強いメッセージが、最初から最後までギュッと1冊に詰まってます。


訳書なので、慣れてないと少々読みにくいです。日本とは文化が違うので、端々にスッと飲み込みにくい単語が混ざってたり。


それでも、高収入で地位も約束された大手企業の職を捨ててまで、ゼロから慈善団体を設立して寄付を募り、子どもたちのために学校を建て、その未来を見越して維持と継続を約束する……。

そんなアダムの意思の強さ、子どもたちを思う心、仲間をひときわ大切に思う気持ちに感じ入る部分が多いです。


貧しいというだけで教育の機会を得られない子どもたちの不遇にいてもたってもいられず、それまでの安定した立場を捨ててまで具体的な行動に踏み出せる勇気……。

凄いとしか言えないですねえ、語彙が弱いですが……。



アダムが「ペンシルズオブプロミス」を立ち上げようと決意するに至った経緯の中に、
セメスターアット・シー(船で特定の各国をまわる旅)に参加し、その航海途中に嵐に遭って死を覚悟する場面があります。

死んでしまってもおかしくない状況から既のところで助かった自分の命。

これからの将来、何が出来るのか、人の為に何をしていけるのかを、深く考えるきっかけにつながりました。

そこで出会った貧困地域の子どもたち。
電気や水道は贅沢品。
屋根や壁なんかない、小屋とも呼べない、ただの木の下で集まって字を学ぼうとする子どもたち。
風が強かったり雨が降ったりすればお休みになるという「学校」。


アダムは、その現実を見て「これだ」と、瞬時に熱くなります。
かつて、自分たちに十分すぎる教育を、余るほどの食事を、と奮闘してくれた祖母を思いつつ、恩を返せるとしたらこれしかない、という思いも芽生えました。



こういう非営利団体の慈善活動につきまとってくるのは、好奇や疑いの目だと思います。
寄付したお金がきちんと活用されているのか、コンセプトは立派だけど、そもそも具体的にはどんな活動をしているのか。気になる面が多すぎる。

ひたすらに費用の透明化、いつでもどこでも活動の詳細を見通せるように工夫を徹底し続けたのが、この団体が周りから信用を得られた理由だと思います。
もちろんアダムの実直な人柄も含め。



夢は自由に持つべきだということ。
夢を叶えられない理由に、仕事や家族や時間のなさを挙げるべきではないというストレートなメッセージを届けてくれる1冊です!

ちなみに、こちらの書籍は
藤原和博さんの著書「本を読む人だけが手にするもの」において推奨されていたものです。
他にも、読んでおくべきとされる珠玉の1冊が紹介されています。おすすめです。