おひとりさま

毎日読んだ本の感想を書いています。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

 

 

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
 

 

 
 
オードリー若林氏のキューバ旅行エッセイです!前作がとても面白かったので期待大、読みたい読みたいと思っていたら先輩が粋な方法で贈ってくださり、わくわくしながら読みました。
結論。面白いよー。
 
導入部からもう面白いです。なんだろう。さすがだなー。言葉運びというか、本心の自分と建前の自分で対話しているような書き方がとても自然で、読ませる力があるなーとおもいました。
あと、どうして若林がキューバ旅行なのか?
このへん合わせて、最後まで読むとはっとなります。あー。読んでよかったー。ただ面白いだけじゃないんだね。控えめに言って最高だよ。
 
 
この人は度々自分のことを箸にも棒にも引っかからない人間みたいにこき下ろすことがあるけど、学びたい気持ちとか吸収する力とかは人一倍あるし、人にわかりやすく伝えるのにも長けてる。読んでいてそれがわかります。ますますファンになった!
 
5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ。同調圧力と自意識過剰が及ばない所までぼくを連れ去ってくれ。
 
海外にはそれが出来るんだろうな。
 
 
 
恥ずかしながらキューバという国についての知識がゼロです。チェ・ゲバラカストロも名前を聞いたことがあるくらい。キューバ革命?なんだそれは?世界史で習ったか?
自国の歴史にも乏しい私には厳しい話です。
でもすらすら読めました。元々こういう旅行エッセイは好きなんです。
 
一人旅いいなー。
国内外問わず旅行っていいなと思える感覚は持ち合わせてるんだが、いかんせん行動力がね。腰が重いよね。パスポートもないし。
女性ひとりだと海外は余計ね、危ないよね、とかなんとか色々と理由をつけては本を読むだけなのだ。いつか私ももう少し歳をとったらどこにでも行けるようになるか?
 
キューバには革命博物館というところがあって
若林が現地ガイドとそこを周るんだけど
ゲバラカストロの写真、実際に乗っていた戦車や船が展示されてたり、アメリカの風刺画があったりする。その全部、一つ一つを彼が丁寧に吸収して、感じたことを丁寧に文字に落とし込んでいるのが伝わってきます。実際にその場の空気の匂いがわかるみたいだ。あー。行ってみたい。なんにも知らないけど。
 
ゲバラの名言も紹介されてます。
 
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
 
うへー。痺れるー。
漫然と生きてるな自分。なんとなくぼんやりと日々をこなして定年後十年くらい年金生活したらぽっくり逝ってあまり放置されないうちに発見されたいな、とか都合のいいことを考えているよ。孤独死想定なのがなんとも物悲しいよ自分でも。
 
命を使う生き方、したいね。
 
 
 
街の匂いがしてくる
なんとも手垢のついた表現ですが
まるでその場にいるみたいな、現地の空気感が伝わってくる文章。一冊読んだだけでキューバを旅行して帰ってきたみたいな感慨に浸れます。
 
良い文章って読んだだけで音が聞こえてくるし、感触も匂いもリアルに感じられることがある。まさにそういう文章の中に溺れた。海外なんて行ったことのない人間でも「コロニアル調の建物」と書いてあればなんとなく想像できる気がしてきたり。
 
そして、どうして「若林がキューバ旅行なのか?」
私は芸人としての、テレビというフィルターを通した彼の顔しか知りませんが
実際に、どういう思いで現実に生きているのか、生活しているのか、仕事を抜きにしたそういう生の生命感が文章には現れ出てる気がしていて、これは前作とはまた趣が違う味わいとして受け取りました。
 
うーん。なんか頑張ろう。
中の上でもいいよね。充分だよね。