おひとりさま

毎日読んだ本の感想を書いています。

死ぬくらいなら会社辞めれば、略して死ぬ辞め

 

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

 

 

 
装丁画や挿絵を手掛ける汐街コナさんの、デザイナー時代のブラック会社勤務経験を漫画化した作品です。
表紙から切迫感、緊急性が漂ってくるようで、ずっとずっと気になっていました。手に取るまで少し時間がかかったのは、読むのが怖かったからです。
同じ「踏み切る」なら会社を辞めるよりもむしろ、と思い詰めた心の動きに覚えがあるから。
 
 
 
感情が麻痺する前に
「うつかも?」とおもう兆候はいろいろあり、食欲不振と不眠がその代表。その病気によって様々みたいですが、目眩や吐き気、幻覚や幻聴が表れたりする場合もあるそうです。
疲れてるだけだろう、と軽くみて頑張り続けていると、ある日急に動けなくなる。起き上がれない、玄関から出られない。
 
症状をきちんと自覚し、動けなくなる前に病院にかかるなり休むなりできる人は、そもそもうつにはならない人。
うつを始めとした精神障害を患う人は、その勇気がない。決断できない判断出来ない、休めない。症状を自覚できない。
みんなもこれくらい頑張ってる
残業100時間とか普通
こんなことで休むなんて情けない
 
麻痺してしまうんだとおもいます。
辛くて苦しいのは他の誰でもない自分なのに、自分の声を聞くことができない。
周りと比較して、世間体が優先順位の一番になる。
体も心も麻痺した状態で無理し続けるから、ある瞬間にぷつっと切れる。マリオネットの糸が上からハサミでじゃきんと切られるイメージかな、と読んでいておもいました。
 
そういえば、前職時代に食欲不振や不眠はたまに、っていう程度でしたが
幻覚幻聴金縛りは3セットでしょっちゅうありました。葬儀社勤めだったのでそのせいかとおもってましたが、それだけでもなかったんでしょうね、きっと。
抜け出せたいま、格段に楽しいです。
生きるのが。
 
 
 
なんでもいいから休め
著者である汐街コナさんは、自身の経験から、少しでも「普通じゃない、おかしい」と思ったら休んでくれ、と投げかけてくれています。
読んで救われるひとはたくさんいるし、ギリギリで踏みとどまれたひともいっぱいいただろうな。
 
休むのって勇気要るよね。
みんなも頑張ってるのに、そう思っちゃうとある程度は無理して仕事した方が世間体も保てるし何より「楽」だし。
でもその楽は続かない。一過性のもの。どこかでぶったぎって無理にでも休まないと。それが難しいんだけどね。
 
過労自死したひとたちを何人か送るお手伝いをしましたが、あとに遺される側には虚無しかないんだ、とおもう。
それこそ「死ぬくらいなら会社辞めれば」いいのに。そう思わせられる。でもそれが出来なかったんだ。なんで、なんでって今度は自死遺族側が自分を責めてしまうんじゃないかな。
 
そうなる前に休むんだ。何がなんでも。
みんなも頑張ってる?  関係ないよ。
辛いと感じてるのは自分自身。休むのは甘えではない。そこを何度でも意識して、原点にして、帰ってこられるように。
 
読みやすく、頭に入ってきやすいし、漫画だから「活字が頭に入っていかない」っていう鬱症状が出ている人でも、絵だけ追うだけでもメッセージが伝わるのではないかな。
 
自分の身は自分で守りましょう。しんだらそこで終わりだよ。会社は潰れてもいいじゃない。先輩や同期だってマジでやばいとおもったら勝手に行動します各々で。
すべて投げ出して休んで自分を守る。
それからの話です。