おひとりさま

@yuu_uu_ 本の感想ブログ

ポジティブシンキングを捨てろ!

 

生きるのがつらい。―「一億総うつ時代」の心理学 (平凡社新書)

生きるのがつらい。―「一億総うつ時代」の心理学 (平凡社新書)

 

 

 
うつについて関連書をまとめていくつか読みたいなとおもって、パッと見て読みやすい文章だったこれを選びました。
 
無理にポジティブになるのをやめ、言わば「ポジティブ・シンキング」により
自分のもつ「辛い気持ち」「死にたい気持ち」に居場所を与えて楽になろうよ、と呼びかけてくれる本です。
とにかく読みやすいのでおすすめです。
 
 
クリアリング・ア・スペース
著者の諸富祥彦さんが本書の中で書かれている、自分の辛い気持ちに向き合う方法の一つとして「クリアリング・ア・スペース」というのがあります。
 
自分がいま、何に苦しんでいるのか
どんなことに辛いと感じているのか
はっきりと自覚できる悩みとは何か
 
観察し、そのひとつひとつを丁寧に組み上げて、心の部屋の中にわかりやすく置いていくというものです。
 
例えば、「親と上手くいっていない」「職場での人間関係」「課題のこと」とか漠然と浮かんでくる悩みをそれぞれ
自分が部屋の中心にいると仮定して
「親とのことは、リビングの中央かな」
「職場の人間関係は、身近だからキッチン」
「課題のことは、締切まであと少しあるから押入れに」
ていう具合に配置していく。
 
もやもやとした悩みが、まるで部屋の荷物みたいに整理されるので、これをやってみるだけで気持ちが落ち着くそうです。
わたしも、なんかイラついた時はとりあえず思ってることを紙に書いて整理するだけで全容が見えてきて落ち着くので
似たような心理かな、とおもいます。
 
 
内観法
あともうひとつ、自分で自分の気持ちを落ち着かせる方法として、「内観法」というのが紹介されてる。これも良さそうです。
割と自己啓発ジャンルではよく聞く方法ですが(マインドフルネスというと聞き馴染みがあるとおもいます)
自分の中に湧き上がる「憎しみ」「悲しみ」「妬み」「恨み」その他マイナスの感情諸々を
ただただ、そこにあるものとして認め、静かに観察、観照する姿勢でいることです。
 
この境地に至るようになるまで大変そうですよね。どことなく仏教ぽさを感じるし。涅槃の域というか。
それでも、まずはやってみることが大事。
 
これとは直接関係ないですけど、最近筋トレやウォーキングを始めていて
やってる最中って頭の中が暇だから、どうしようかなーと最初は思ってたんですけども、ひたすら呼吸に集中するようにしたり、ぼんやりと浮かんでくる考えにいちいち「それいいね」「めちゃくちゃ天才じゃん」「疲れてたんだもん仕方ないよ」「上出来」とかプラスの相槌を打つようにしてます。
 
単純に楽しくなってくるのでおすすめです。
 
 
 
このところ、うつや精神障害に関する本を少し読むようになって
相手は変えられないが自分は変えられる、というシンプルな仕組み・構図が腑に落ちるようになってきました。
 
アドラー心理学でも、人の持つ悩みは100%人間関係の悩みと断言されてますが、考えれば考えるほどその通りだな、とおもえます。
それならもういっそ、人間関係難しい!上手くできないの当然!って割り切って
上手く話せなかったとか
話聞いてもらえなかったとか
あの人は私のこと嫌ってるとか
不確定要素まみれの不安に振り回されるのよそう、今すぐに。
 
そもそも不安って実体のないものだしね。
目に見えないものだし。
難しいけど、楽になりたかったら割り切る努力を続けるしかなさそうです。考えた結果。