おひとりさま

@yuu_uu_ 本の感想ブログ

「半径5メートルの野望」を読んだ

 

半径5メートルの野望 完全版 (講談社文庫)

半径5メートルの野望 完全版 (講談社文庫)

 

 

 男女雇用機会均等法というものが施行されたのは私が生まれる数年前のことだったとおもいます。私はもう立派なアラサーなので、「男性と同じくらい女性の雇用機会も均等にしましょうね」という法律が認められるようになってから30年近くは経つことになります。

 私のこれまでの経歴は一般以上異色未満で、日本語教師の資格が取れる学部を卒業してから何故か葬儀屋になり、5年くらい勤めたあと突然辞めて3か月だけ本屋でバイトしてパソコンインストラクターをやっている現在。その間、いろんな上司の元で働いてきました。その中で、男性と女性の役職付きは9対1くらいでした。

 

 女性をもっと重用しろ! 実力を認めて優遇しろ!

これからは女性の時代だ、男は引っ込め!

と声高にデモを起こすつもりは毛頭ないです。男性であれ女性であれ、実力のある人たちが平等に上を目指せる機会がたくさんある世の中に、早くなってほしいなという気持ちだけが強くあります。

 数十年前と比べると格段に待遇は良くなってきてはいるはず。それはわかります。でも、まだまだです。現実、働いてきた現場を振り返ってみると、力は同等なのに出世の順番がまわってくるのは男性の方が先っていうパターンが多くありました。

 

 あともう数十年すればさらに良くなっているのでしょうか。

 曖昧で、確信が持てない世の中だと思います。

 はあちゅうさんの本は、私にとって、働く女性アラサー世代に向けての応援歌という位置づけで、いつも読ませていただいています。

 

 とにかく勇気をもらえます。やる気が湧いてきます。 作家になりたい、書く仕事で食べていきたいという目指す方向性が一緒だからか、感情移入もめちゃくちゃできます。率直に、「こんな風になりたい」っていう憧れの存在になりつつあります。著作自体は読むのがこれで3冊目ですが、普段からツイッターやブログを拝見しています。語ることに一貫性があって、芯が通っている人だなあ、と常々おもう。

 

「半径5メートルの野望」。

女性が野心を持って働く。上を上だけを目指す。もっと有名になりたい。もっと稼ぎたい。欲しいものが満足するだけ買える経済力が欲しい。自由になりたい。

 同じことを男性が話すと「向上心のある熱い奴だ」とお偉い方の見る目が変わります。女性が同じことを宣言すると何故か白けた目で見られる。少なくとも褒められることなんてありえません。 男女雇用機会均等法が施行されて数十年。未だ追いついていない現状がただただ広がっているだけ。

 

 私ももっと上にいきたい。 月々十数万円の給料で慎ましく生きる生活が悪いとは思いません。 ただ、私はもっと上にいきたい。半径5メートルの範囲だったら野望を持つことくらい許されると思ってもっと突き進んでいきたい。額に頓着せず親孝行できる懐の広い人間でありたい。

 

「半径5メートルの野望」。

 野心を持つ勇気を与えてくれます。